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「この道や 行く人なしに 秋の暮」芭蕉の句碑、仙台市新川に発見

この道や 行く人なしに 秋の暮

松尾芭蕉(Wikipedia)は、元禄7年(1694年)9月29日夜に、激しい下痢をおこし、それから2週間後の10月12日に没します。

この句は、下痢をおこす3日前の26日、大坂の料亭で句会があり、その時の発句でした。

余命いくばくもない最晩年の心境を詠った句に見えますね。

「この道」とは俳諧道のことか、昔通った「奥の細道」のことか。

さて、この句碑が、わが住まいの近所に見つかったという話。

2010年11月27日の河北新報に顛末が掲載されたので、まるごと引用させていただきます。

漂泊の芭蕉句碑、今再び 市民グループが偶然発見

思いがけない出合いが、碑をよみがえらせた。市民グループが偶然見つけたのは「行方不明」とされていた俳聖・松尾芭蕉のもの。建立は100年以上も前。その来歴は少々、謎めいていた。

 仙台市青葉区新川の新川生活センターの敷地内に、高さ60センチほどの細長い石が塚台に立つ。「道」「行人」などの文字が見えるが、黒ずんだ表面は摩耗が激しく、所々読めない。辛うじて、最後の2文字「芭蕉」が句碑であることを伝える。
 「15年もここで活動しているが、芭蕉の句碑があるなんて知らなかった」と、地元の市民グループ「広瀬川ほたるの会」事務局長の太田久美子さん(63)。
 句碑に気付いたのは偶然だ。10月中旬、新川地区のホタルの里づくりを記念する石碑をセンター前に建てた。設置場所を決めようと付近を歩いていて見つけたという。
 「触ると、抜けかかった歯のようにぐらぐら揺れた」と太田さん。長年放置されていたのか、周囲は草で覆われていた。
 東北や北陸を行脚して「奧の細道」を著した芭蕉だが、新川周辺を訪れた記録はない。建立の経緯を知る手がかりが、本の中にわずかにあった。
 全国の芭蕉の句碑を紹介する「石に刻まれた芭蕉」(智書房、2004年出版)。本文にはないが、新川の句碑に関する記述が巻末の「消滅・行方不明と思われる碑」の一覧にあった。
 「此道(このみち)を行人(ゆくひと)なしに秋の暮(くれ)」。晩年の芭蕉が大阪で詠んだ句だ。
 建立は1890年6月で、場所は新川分校内とある。作並小新川分校は現在位置から約500メートル離れている。詳しい記述はないが、句碑が本来あったはずの場所にないため、無くなったと思われたらしい。

 1969年刊行の宮城町誌を調べると、さらに意外な事実が分かった。
 もともと句碑は、新川付近から山形方面に伸びる「駒新道」という街道筋に建てられていたというのだ。「いつの日か建立場所から運ばれて、現在は新川分校に保管している」と記述している。
 駒新道は奥羽山脈を越える古い街道で、宮城、山形両県の交流を願う人々の手で明治期に整備された。しかし、その後、関山街道や笹谷街道が整備されると、人の往来が減り、廃道になった。
 時代に取り残された道の情景をイメージして建てられたが、廃道となって新川分校に移された―。史実に照らすと、そんな想像が膨らむ。

 句碑に関する人々の記憶はわずかだ。「小学生の時、新川分校の廊下に塚台のない状態であった」と、新川町内会長の早坂晃弥さん(73)。地元老人クラブ会長の石垣胞夫さん(78)は「戦後は近くの新川神社のお堂にあった」と証言する。
 転々とした句碑。現在地になぜ移されたのかも分からない。その姿は刻まれた句と同様、どこか切なさを感じさせる。
 住民らはほたるの里の石碑を、句碑を見守るように並べて建てた。周囲の草を刈り払い、倒れないように句碑の根元も補強した。「もう2度と場所を移ることはないと思う。大切にします」と太田さん。
 数奇な運命をたどった句碑は、ようやく人々の輪に包まれた。ホタルが舞う地で、穏やかな日々を過ごせるに違いない。

(写真キャプション)
「なんて読むのかな」。地元の子どもが句碑に見入る。句は体力が衰える中で孤独に芸道を追い求める心象風景を詠んだといわれる。「此道を」は「此道や」が一般的=仙台市青葉区新川

今は廃道になっている駒新道。人影が途絶え、荒涼とした雰囲気が漂う。句碑は当初、この道沿いに建てられたらしい

以前、駒新道のことを知って、興味を持っていましたが、見つけていただいてありがとうございます。

地元の人が気づかないことが、他所の人によって脚光をあびることって、よくありますものね。

「奥の細道」は紀行本ではなく、仙台藩の内部を記した報告書であるという説もあるようですが、どういう経緯で、この句がここ新川に置かれたのか。

とぼとぼと秋の日に峠を目指す旅人の姿が眼に見えるようです。


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  • 2018/04/17 4:48 PM
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