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ピアニスト・辻井伸行さんと母

ヴァン・クライバーンコンクールで優勝し、時の人になった盲目の天才ピアニスト・辻井伸行さん。
彼の演奏は、目が見えないからこそのオリジナリティと色彩感にあふれているといつも感じさせられます。

母親のいつ子さんのコラムから。

辻井さんは、眼球が発達しない「小眼球」という障害を持って生まれました。
両親の落胆は想像にあまります。
当時の日記には「私や孝(夫)の顔を一生見ないで終わるのかと思うと泣いても泣ききれない」
「生まれたときからこんなハンディを抱えて、それでも伸行は生きている方が幸せなのか」と悲痛な殴り書きが残されています。

悩める日々に出合ったのが、視力障害をもつ福澤美和さん。
彼女は、盲導犬と一緒にいきいきと暮らす毎日をエッセイで描いていました。
いつ子さんは、生後6カ月になる辻井さんを連れて会いに行きます。
私の悩みを聞いた福澤さんは「普通にお育てになったらいいのよ。あなたが感じるままに、いいと思うことは一緒にやってみたら」と声をかけてくださいました。
(中略)
「見えない」世界はけっして暗黒の世界ではない、ということに初めて気づいたのです。(中略)
生まれつき光を感じたことのない伸行には、彼なりの感覚や世界が広がっています。私には、見えないことにとらわれすぎるあまり、その人らしい人生を生きるという発想がなかったのです。
いつ子さんは、辻井さんを積極的に外へ連れ出して、一緒にいろいろな体験にトライするをするようになります。
そんなある日、色を理解させるために「リンゴの赤」「バナナの黄色」などと教えていたとき、伸行が「じゃ、今日の風はなに色?」と言ったのです。大好きな食べ物に色があるなら、大好きな風に色があっても不思議はありません。
そして、音楽に興味を持ち始めた辻井さんは、生きる喜びとして音楽に取り組みます。
私たち親子は、二人三脚で歩いてきましたが、この度の優勝を機に、とてもいい形で親離れ・子離れができました。
先日このブログで書いた、「コバケンとその仲間たち」の棚橋さんもそうでした。

音楽の力も偉大だが、母親の力はもっと偉大だ。

このエッセイは、宋文洲さんのメルマガに連載されたもので、この後の展開にも期待しています。

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