起業家の誕生は一粒の種。落ちた場所で生きる環境を作り出す。

今日は、仕事始めです。
ふさわしい話題として、宋文洲さんのメルマガ2010.12.24「起業万歳!」から引用させていただきます。

家具のニトリ社長、似鳥さんが苦労の末、税金を200億円出す企業に成長し、お客さん、従業員や関連産業が受ける恩恵など、この企業が作り出す社会的効果は膨大なものになりました。

リスクと戦い、弱気と戦い、自分と戦い、運命と戦う。それが起業家の生き様です。彼らは寝る時も枕元にペンとメモ用紙をおき、裸でシャワールームから飛び出し、一つの閃きも一人の人脈も見逃さない熱意と真剣さで企業を育てるのです。


日本が世界2位のGDPを有し、豊かな生活を営んでいるのはビジネスマンと起業家のおかげだと。

格差を過剰に強調し、社会主義的な悪平等思想に傾く現在こそ、起業家精神をもう一度思い出し、起業家を輩出するような社会環境を作り出す必要があると思います。政治家、マスコミ、教育など、他人のせいにしてもどうにもならないのです。

起業家の誕生はこの世に一粒の種が落ちるようなものです。その種は落ちたところに根を下ろし、そこで生き延び、成長しながら自ら生きる環境を作り出すのです。その種は変化に強いのです。砂漠に放り込まれる種が砂漠のサボテンになり、山頂に放置される種が高山植物になるものです。

一生懸命に夢を追いかけていれば、社員や家族や地域そして日本や子孫の貢献できる企業になれるかもしれない。

小さな一歩ずつを今日からまた歩んでいこう。

一日一歩、三日で三歩、三歩進んで二歩下がる。


iPod Touchに「リンゴの皮」をかぶせると、あら不思議。iPhoneのできあがり。

iPod Touchに覆い被せることで、SIMカードによる通話・メールができる・・・つまり、即席iPhoneができあがるという製品が、中国で発売されました。

これは、通称「リンゴの皮」。
アップル社非公認。

販売価格は530元、すなわち6,500円くらいですから、同製品とiPod Touchを足してもiPhoneより2000元、3万円近くも安く、アメリカなどのオンラインショップでも販売されているそうです。

残念ながら、通話音質や操作性はiPhoneより劣るし、Web閲覧機能が付いていない。

開発者は「リンゴの皮」を、全く新たなイノベーションと主張していますが、アップル社はすでに類似の製品を特許取得しているらしく、法的訴訟に出る可能性が高いようです。
それにしても中国人は、危ないコピー商品の開発など商魂たくましいですね。
この意欲は、見習うべきか。

   →iPod touchがiPhoneに変身する!? 中国発、話題のガジェット「リンゴの皮」
    (デジタル - 日経トレンディネット)


「七人の侍」の若者・勝四郎が組織に必要な理由。深い、深すぎる。

内田樹さんのブログに興味深い「組織論」が書いてあったので、引用させていただきます。

   →『七人の侍』の組織論 (内田樹の研究室)

まず、「コレクティブ・ハウス」の20世帯くらいで住まいをシェアしている人の困りごと。

子どものいる若い夫婦同士はお互いに育児を支援し合って、とても助かるのだが、高齢者の夫婦などはいずれこちらが介護せねばならず、若い人たちは「他人に介護してもらうためにコレクティブハウスに参加したのではないか・・・」という猜疑のまなざしで老人たちを見つめている、という話をうかがった。
どうすればこの共同体を継続できるのでしょうというお訊ねだったので、「残念ながら、そういう共同体は継続できません」とお答えした。

どんな共同体でもその成員の標準的なアチーブメントに及ばない「マイナーメンバー」を含んでいる。
これらの「マイナーメンバー」を支援するときに、「自分は損をしている」というふうに考える人間には共同体に参加する資格がない、と。

「では、どんな共同体なら生き延びられるのですか?」

教育のための共同体、医療や介護のための共同体、それから宗教の共同体くらいでしょうか。
(中略)
これら三つの共同体はどれも共通した特徴を持っている。
それは「構成員のうち、もっとも非力なもの」を統合の軸にしているということである。(中略)
もっとも耐性の強い共同体とは、「成員中のもっとも弱いもの」を育て、癒し、支援することを目的とする共同体である。
そういう共同体がいちばんタフで、いちばんパフォーマンスが高い。


その事例が『七人の侍』における勝四郎の果たした役割である。

この七人の集団は考えられる限り最小の数で構成された「高機能集団」である。
その構成員はまず「リーダー勘兵衛」(志村喬)、「サブリーダー五郎兵衛」(稲葉義男)、「イエスマン七郎次」(加東大介)。7名中の3名が「リーダーが実現しようとしているプロジェクトに100%の支持を寄せるもの」である。この比率は必須。
「イエスマン」はリーダーのすべての指示に理非を問わずに従い、サブリーダーは「リーダーが見落としている必要なこと」を黙って片づける。
その他に「斬り込み隊長久藏」(宮口精二)と「トリックスター菊千代」(三船敏郎)もなくてはならない存在である。
自律的・遊撃的な動きをするが、リーダーのプランをただちに実現できるだけの能力をもった「斬り込み隊長」の重要性はすぐにわかるが、「トリックスター」の組織的重要性はあまり理解されていない。

では、林田平八(千秋実)の役割は?

「腕はまず、中の下。しかし、正直な面白い男でな。その男と話していると気が開ける。苦しい時には重宝な男と思うが。」
(中略)
だが、企業の経営をしたことのある人間なら誰でも知っていることだが(「麻雀をしたことがある人間なら」と言い換えてもよい)、組織の運動はその生存期間の過半を「悪天候」のうちで過ごすものである。
組織人の真価は後退戦においてしばしば発揮される。


岡本勝四郎(木村功)は?

彼は「残る六人全員によって教育されるもの」という受け身のポジションに位置づけられることで、この集団のpoint de capiton(クッションの結び目)となっている。
どんなことがあっても勝四郎を死なせてはならない。
これがこの集団が「農民を野伏せりから救う」というミッション以上に重きを置いている「隠されたミッション」である。
なぜなら、勝四郎にはこの集団の未来が託されているからである。
彼を一人前の侍に成長させること。そのことの重要性については、この六人が(他の点ではいろいろ意見が食い違うにもかかわらず)唯一合意している。

勘兵衛はそれを洞察したからこそ、勝四郎を仲間に加えることを許した。

それはこの戦いで「たぶん我々はみな死ぬだろう」と勘兵衛が思っていたからである。
侍だから戦いで死ぬのは構わない。だが、できるものなら最高のパフォーマンスを発揮した上で死にたい。そのための条件を考えて、勘兵衛はこの七人を選んだのである。
話をいきなり現代に戻すが、当今の企業の人事担当者の中には「平八」と「勝四郎」の重要性どころか、「菊千代」の重要性さえ理解していない人間が多い(というかほとんどそうか)。
リーダーとイエスマンと斬り込み隊長だけで「効率的な」組織を作ろうとしている経営者がマジョリティである。

以前、七人の侍に現代の俳優を配するとしたらどうするか、と友人と対話をしたことがありますが、黒澤おそるべし、深いものがあった。
うーん、また「七人の侍」を観るきっかけができてしまったな。

それを解説していただいた内田さんにも感謝します。
感銘を受けました。

企業の最大のミッションが「継続」だとしたら、トリックスターも「クッションの結び目」も必要だね。
来年の最大の課題として捕らえます。


非情に徹する「選択と集中」で、生まれ変われるか。

宋文洲さんのメルマガ2010.12.10号「選択と集中の意味」から。

事業は選択と集中。
そう言われるけれども、なかなかできません。

私の気の多い性格からいって、見捨てること、切り落とすことができないのです。

選択と集中はリーダーにとって自分との戦いであり、部下との戦いでもあるのです。自分が作ってきた事業を捨てるのはリーダーにとって辛い決断であり、名実とも割愛なのです。

非情になろうと思う。
進化していくためには、異なる環境に挑戦していく気概が必要だ。

我々個人も同じです。名声も金銭も健康も家族も余暇も、良いものは全部欲しいのです。しかし、何かを選んで突き進むならば、間違いなく何かを捨てることを責められるのです。それは誰かが意地悪いのではなく、宇宙の原理原則だからです。

世間で言ういわゆる成功者は多く知っています。マスコミに気を遣い、部下にも気を遣い、顧客にも気を遣い、パートナーにも気を遣う。シャワーを浴びる時に考え、通勤の途中に考え、雑談の最中に考え、ゴルフをする時に考える。弱い人に頼られ、強い人に競争され、良い人に注視され、悪い人に妬まれる。

彼らは多くの大切なものを捨てて、あるいは暗い影を抱えながら華やかな成功者を演じている部分が多いのです。一部のなりたての人を除けば、実は誰も自分のことを成功者だと思っていないのです。人生も選択の結果なのです。

そうなんだよね。
100%獲得できる人生なんてありえない。

労働時間をみても同じ原理が働きます。我々は毎日8時間働くと言いますが、それは労働法の概念に過ぎません。(中略)最も重要な問題は選択と集中なのです。

何をするか、何をしないかを見極めて優先順位の高い、1〜3個の仕事に集中し、労働時間も脳力と体力が冴えている時間に集中すれば必ず大きな成果を上げることができます。最も重要な課題を最も体力のある時間帯に集中させる、これこそ効率の戦略です。

手帳を埋めることが仕事ではない。
思い切った「捨てる勇気」が来年の当社の課題かな。


ハイブリッド型のデザイン人材を。CI戦略の中西元男さん講演

昨日から始まった「デザインウィーク in せんだい2010」。

初日のセミナー、「デザインと経営」を聴いてきました。

講師は、日本のCI戦略の第一人者、中西元男さん(プロフィール)。
私が理事を務める日本WEBデザイナーズ協会の顧問でもいらっしゃいます。

途中からの聴講でしたので、後半しか聴けませんでしたが、印象に残ったコメントをふたつ。

「ゴール型の経営ではなく、ディレクション型の経営を目指せ」

この成熟した社会、数値目標を追うだけの経営では、早晩行き詰まる。
正解のない時代に、最適解を見出すためには、「数字と情」の経営戦略が必要だ。

途中で紹介されていたベネッセのCI戦略。
1980のCIで「文化化・情報化・国際化」を決めて、以来、30年間、理想を追求し続けてきた経営姿勢がいい例でしょう。

「デザイン人材は、ハイブリッド型に」

作ればモノが売れる時代ではない。
そこで必要なのは、感性と提案力である。
これからのデザイナーは、ハイブリッドな才能を持たないといけない。

日本の産業界がデザインを重視しなくなったせいで、日本のデザイン能力は急速に落ちている。
それに比べて、中国・台湾・韓国のデザイン政策はしっかりしているので、中西さんへの依頼も海外からのものが多くなっていると嘆いていらっしゃいました。

ライフスタイルに変化をもたらす、優れたデザインの商品やサービスが市場を席捲しており、デザインへの理解度が、企業経営の浮沈を左右する、と。

いい講義を聴かせていただきました。
精神的な余裕が、明日のビジネスを生む、とも理解しました。

それにしても、定員300人の会場に集まってたのは、10分の1くらいか。
なんともさびしい、デザインへの理解です。

   →中西元男 実験人生

   →PAOS

   →《STRAMD》戦略経営デザイン専攻


デッドヒートは、綿密に用意していた「編集」の技術から

昨日、駅伝の話を書きましたが、本日も長距離走の話。

朝日新聞グローブ「走る 42.195kmの劇場」から。

スタートから2時間を過ぎても、トップ走者2人の順位が、数秒ごとに入れ替わる。10月10日に開かれた米シカゴ・マラソン男子は、仙台育英高校出身で2008年北京五輪の覇者、サムエル・ワンジル(24、ケニア)と北京・銅のツェガエ・ケベデ(23、エチオピア)の抜きつ抜かれつの勝負となった。ワンジルがケベデを振り切ったのはゴールまで500メートル足らずだった。

2時間6分24秒。ワンジルは2連覇で、優勝賞金7万5000ドルと、2時間6分30秒以内完走のボーナス4万ドルの計11万5000ドル(約950万円)、さらに数十万ドル(非公表)といわれる招待費用も得た。

33回を数える大会史上、最大の接戦となった今回のレース展開を、綿密に組み立てていたのは、ケアリー・ピンカウスキー(51)。
エグゼクティブ・レースディレクターと呼ばれる大会の最高責任者。

レース前に組み立てたシナリオはこうだった。

「北京五輪金メダリストのワンジルと福岡国際連覇のケベデに今年のボストン・マラソン勝者キプロノ(ロバート・キプロノ・チェルイヨット)を競わせる。天候次第では、世界新記録を狙う」──。

(中略)

シカゴは、コースが比較的平坦(へいたん)であることから、ベルリンとともに世界新記録を狙える「高速コース」として知られる。高速レースでカギを握るのは、ペースメーカーと呼ばれる「先導役」の選手。トップクラスの選手が出るマラソン大会では、記録を出すために先導役をつけるのが普通だ。

先導役にはフルマラソン挑戦前の若手有望選手らが選ばれる。今回は3人。それぞれ、ハーフ(21.1キロ)、25キロ、30キロまで走る契約だった。

ペースはどうやって決めるのか。

当日朝、トップ選手数人と代理人、ピンカウスキーが各選手の希望や天候などを考慮して、話し合う。「今回は、ハーフで1時間2分20秒から30秒。実際、その通りに走ってくれた」

ハーフタイムは1時間2分37秒。後半、ペースが上がれば、世界記録更新も狙える設定だった。

(中略)

「私の役割は、ベスト(最高の)アスリートをそろえ、前半のペースを設定すること。その後、どう展開するかは、選手次第だ」

その約1ヵ月後、ニューヨークシティー・マラソン。
最大の話題は、2時間3分59秒の世界最高記録を持ち、「皇帝」と呼ばれるハイレ・ゲブレシラシエ(37、エチオピア)の初参加でした。

世界5大都市マラソンの一つ、ベルリンの常連だったゲブレシラシエを「10年がかりで口説いた」のは同マラソンのレースディレクター、メアリー・ウィッテンバーグ(48)。
彼女は、ニューヨーク周辺で年間50回ものランニングイベントを企画する非営利組織「ニューヨーク・ロード・ランナーズ」(NYRR)の経営トップだ。

「超トップ級の選手が出場するかどうかを左右するのは、その大会が大舞台であるかどうか。(招待の)カネは理由の一部に過ぎない」。大都市マラソンでは最大級の4万8千人が参加するニューヨークこそ、「最高の舞台」という強烈な自負がある。

(中略)

25キロ地点。先頭集団を引っ張ってきた優勝候補ゲブレシラシエが足を止めた。右ひざの故障を理由に途中棄権したのだ。レース後には、突然の引退表明までした。優勝はマラソン初挑戦のゲブレグジャベル・ゲブレマリアム(26、エチオピア)だった。

ウィッテンバーグは、レースディレクターの役割を「ストーリーテリング」(物語を書くこと)だと語ります。

「初マラソンのランナー、ベテラン、メダル保持者など世界中のベストアスリートを集め、ミックスする。そして、ベストアスリートによる勝負を作り出す。そうすれば、脚本を書かなくても、すばらしい物語(グレートストーリー)が生まれてくる」

ピンカウスキー、ウィッテンバーグともに、レースを「編集」しているということですね。

「編集」の技術は、書籍、雑誌、Webなどのほか、家庭の料理からスポーツ、芸術、はてはビジネスまで幅広く無意識に行っている技術です。

私自身、最近、これまでの仕事の経歴を整理していて、気がついたんです。

子どものころから、「編集」技術をずっと追ってきたんだなって。

「編集」という言葉を頻繁に使うスポーツマンは、ラグビー日本代表の元監督の平尾誠二さん。
本を一冊ご紹介しておきます。


早大の駅伝監督、渡辺康幸さんが強調する「陽のオーラ」

先日、大学時代に箱根駅伝に選手で出場したという40代の男性、Sさんに会いました。

リストラに合って就職活動中。
起業を目指して、Webサイト制作の勉強をしたいが、ビジネスになるのか聞きたいと。

箱根の選手だったとすれば、がんばり力は相当なものでしょう。
彼の目を信じて、私も、ごまかさずにしっかり伝えることにしました。

40歳を過ぎて、プログラムもデザインもコピーもマーケティングも経験がない。
となると、学ぶべき範囲が広すぎるし、進化も速いから、なかなかハードルが高いですよ、と答えました。

さて、早稲田大学の駅伝監督、渡辺康幸さんは、学生時代、ずば抜けたエールでありながら、その後、社会人としては目立った成績を残せなかった。

ですが、その後、指導者となってからは、弱小チームだった早稲田を優勝チームに育て上げた手腕が注目されています。

   →渡辺康幸(Wikipedia)

苦労した分、彼の成果は輝きに満ちたもの。

彼は、強いチームには、「陽のオーラ」があるといいます。
活力に満ち、前向きで、緊張感。
反対に弱いチームは、負け犬根性やあきらめムードなど「陰のオーラ」を発していると。

   →早大駅伝・渡辺監督に学ぶ 草食君の心を燃やす法(プレジデント)

彼の考え方は、しごくまっとうですね。
関心を持ちました。本を読んでみます。


秋山咲恵さん、経営が暗転しても続けた研究開発への投資

サキコーポレーション(SAKI)社長・秋山咲恵さんの記事が、朝日新聞2010.10.04の「GLOBE」に載っていました。

   →Breakthrough -- 突破する力 秋山咲恵(朝日新聞GLOBE)

SAKIは、産業用検査ロボットメーカーとしては世界トップクラス。WKKはSAKIの商品を中国市場で売り出す契約を結んだば かりだった。検査ロボットは、パソコンや携帯電話の電子部品がプリント基板上に正しく配置されているかを瞬時にチェックする。電機メーカーにとって品質を 高めるために欠かせなくなりつつあるロボットだ。

コンサルティング会社に勤めていた咲恵さんは、「夫が技術者として輝くような会社をつくりたい」と起業を決意し、16年前、31歳でSAKIを立ち上げる。

咲恵は、業界を調査するうちに、人間の目での検査に頼っていたプリント基板のチェックが、自動化される流れにあることを知る。吉宏が得意とするプリンターのスキャナー技術を応用すれば、検査スピードを大幅に上げられるはず、と2人は話し合った。

会社が軌道に乗るまでには4年以上かかったそうですが、その後は急成長。
2007年には売上高が50億円に迫り、世界2位のシェアまで拡大。
世界中で製造されるノートパソコンの3分の1がSAKIの検査ロボットを通過するようになりました。
社員は200人を超え、海外の拠点も12カ所。

会社の成功と共に、咲恵は女性起業家としても注目を浴びるようになる。マスコミに登場する機会も増えた。

ところが、2008年、リーマンショックで経営は暗転。
経営危機に陥り、咲恵さんは借金に奔走するが、なかなかお金を貸してもらえない。

いつも周囲に気を配る咲恵から笑顔が消えた。出社まで苦痛になった。仕事中に涙があふれ、そんな姿を社員に見せられないと思って早退したこともある。

結局、社員を100人近く減らさざるを得なかった。本社を、スーパーが入っていた築40年のマンションに移し、賃料を85%節約した。ピーク時には25億円の借金を抱え、それを個人保証するしかなかった。むろんほとんど担保はない。

そんな苦しい時期でも、研究開発のための投資を続けました。

「世の中に役立つ技術を生み出して、新しい価値を創造する」。経営者として、この信念は譲れなかった。

X線の検査技術に優れたドイツの会社を買収し、吉宏がその社長として陣頭指揮をとった。新しい製品の開発に成功し、深セン(土へんに川)での展示会にこぎ つけた。これまで内部の不良を見つけるX線検査には時間がかかり抜き取り検査しかできなかったが、新製品ですばやく大量に検査することが可能になった。電 気自動車などの品質向上に貢献できるという。

数千万円もするその機械に、今、引き合いが相次いでいる。

夫婦で仕事をして、苦楽を共にするとはこのことでしょうか。

吉宏は、咲恵が経営危機を経て、ぐっと強くなったと感じている。「トップには孤独で苦しい決断がたくさんある。自分は見ているだけで、とうてい真似(まね)できないことです」

咲恵は「自分で自分をあきらめたくなかっただけ」だという。「落ち込んで立ち直ることを繰り返した結果、悪い経験に慣れて強くなったのかもしれない」。為(な)す術もなく体が海に沈んでいっても、海底に足が着いたときには、蹴(け)り上げようと思っていた。
咲恵さんは、日経ウーマン」誌の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」にエントリーされるなど有名な方ですが、初めて知りました。
負けない、すてきな、すばらしい女性ですね。


秋山咲恵さん、経営が暗転しても続けた研究開発への投資

サキコーポレーション(SAKI)社長・秋山咲恵さんの記事が、朝日新聞2010.10.04の「GLOBE」に載っていました。

   →Breakthrough -- 突破する力 秋山咲恵(朝日新聞GLOBE)

SAKIは、産業用検査ロボットメーカーとしては世界トップクラス。WKKはSAKIの商品を中国市場で売り出す契約を結んだば かりだった。検査ロボットは、パソコンや携帯電話の電子部品がプリント基板上に正しく配置されているかを瞬時にチェックする。電機メーカーにとって品質を 高めるために欠かせなくなりつつあるロボットだ。

コンサルティング会社に勤めていた咲恵さんは、「夫が技術者として輝くような会社をつくりたい」と起業を決意し、16年前、31歳でSAKIを立ち上げる。

咲恵は、業界を調査するうちに、人間の目での検査に頼っていたプリント基板のチェックが、自動化される流れにあることを知る。吉宏が得意とするプリンターのスキャナー技術を応用すれば、検査スピードを大幅に上げられるはず、と2人は話し合った。

会社が軌道に乗るまでには4年以上かかったそうですが、その後は急成長。
2007年には売上高が50億円に迫り、世界2位のシェアまで拡大。
世界中で製造されるノートパソコンの3分の1がSAKIの検査ロボットを通過するようになりました。
社員は200人を超え、海外の拠点も12カ所。

会社の成功と共に、咲恵は女性起業家としても注目を浴びるようになる。マスコミに登場する機会も増えた。

ところが、2008年、リーマンショックで経営は暗転。
経営危機に陥り、咲恵さんは借金に奔走するが、なかなかお金を貸してもらえない。

いつも周囲に気を配る咲恵から笑顔が消えた。出社まで苦痛になった。仕事中に涙があふれ、そんな姿を社員に見せられないと思って早退したこともある。

結局、社員を100人近く減らさざるを得なかった。本社を、スーパーが入っていた築40年のマンションに移し、賃料を85%節約した。ピーク時には25億円の借金を抱え、それを個人保証するしかなかった。むろんほとんど担保はない。

そんな苦しい時期でも、研究開発のための投資を続けました。

「世の中に役立つ技術を生み出して、新しい価値を創造する」。経営者として、この信念は譲れなかった。

X線の検査技術に優れたドイツの会社を買収し、吉宏がその社長として陣頭指揮をとった。新しい製品の開発に成功し、深セン(土へんに川)での展示会にこぎ つけた。これまで内部の不良を見つけるX線検査には時間がかかり抜き取り検査しかできなかったが、新製品ですばやく大量に検査することが可能になった。電 気自動車などの品質向上に貢献できるという。

数千万円もするその機械に、今、引き合いが相次いでいる。

夫婦で仕事をして、苦楽を共にするとはこのことでしょうか。

吉宏は、咲恵が経営危機を経て、ぐっと強くなったと感じている。「トップには孤独で苦しい決断がたくさんある。自分は見ているだけで、とうてい真似(まね)できないことです」

咲恵は「自分で自分をあきらめたくなかっただけ」だという。「落ち込んで立ち直ることを繰り返した結果、悪い経験に慣れて強くなったのかもしれない」。為(な)す術もなく体が海に沈んでいっても、海底に足が着いたときには、蹴(け)り上げようと思っていた。
咲恵さんは、日経ウーマン」誌の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」にエントリーされるなど有名な方ですが、初めて知りました。
負けない、すてきな、すばらしい女性ですね。


イクメンが動くと、会社が変わる。社長、思い切って半年休んでみたら?

「イクメン」って言葉は、ご存知ですよね。

育児を積極的に率先して行う男性、育児を楽しんで行う男性を意味する造語。(官製かな?)
で、もちろんイケメンからの連想です。

   →育てる男が、家族を変える。社会が動く「イクメンプロジェクト」

最近では、会社や行政など、組織のトップに立つ男性が育児休暇を取得しています。
こんな人たち。

  • タレントのつるの剛士さん(35) 1、2月の2カ月
  • 東京都文京区の成沢広修区長(44) 4月に2週
  • 長野県幌久市の柳田清二市長(40) 6月に5日
  • サイポウズの青野慶久社長(39) 8月に2週
  • 三重県伊勢市の鈴木健一市長(34) 10月に2日、11月に1日
  • 広島県の湯崎英彦知事(45) 10月末から時間休
  • 荻城鳳龍ケ崎市の中山一生市長(47) 10月に5日、11月に2週(予定)
  • 大阪府箕面市の倉由哲郎市長(36) 10〜11月に16日

仕事をもつ女性が育児休暇をとるように、男性も取れるような世の中になればとてもいいことです。

そうしないと出生率の向上は見込めないし、生産人口減少の時代に女性の労働力化も図れない。

男女平等だから、育児の義務を男性も女性も均等に負うべきだ、という主張ではありません。

家庭環境はそれぞれ違うから、それぞれの立場を認めて、男性に育児時間が必要ならばとらせて上げたらいいんじゃないかと思います。

育児休暇なんて、男が取るべきもんじゃないと感情もわからないでもないが、親の介護が必要になったとき、息子が介護休暇を取るのと同じでしょ?

NPO法人「フローレンス」代表の駒崎弘樹さんは、長女の誕生から間もない10月1日、2カ月間の予定で育休に入りました。

   →病児保育・病後児保育のNPOフローレンス

同社は、仕事柄ってのもあるし、ワークライフバランスの観点から「働き方革命」を進めてきたので、育休を取りやすい職場にしてきたとはいうものの、さすがに代表が休むとなると、仕事が回るのかどうか不安でした。

そこで駒場さんは、育休までの約半年間、きっちり準備。

自分が取り組んでいる仕事を洗い出し、できるだけ職員に任せた。

経営者の役割だと思いこんでいた予算づくりからも手を引いた。
考え方とルールを伝えて予算を組ませたら、出来は想像以上だった。

パソコンに向かうのも1日2時間、会議もスカイプで毎週2回だけ。

「任せれぱ人は育つ。自分がいないと組織が回らないという考えは、トップの自意識週剰だと気づきました」とコメント。

さらに、「これまでは短期の経営成績ばかりに関心が行きがちだったけど、今は、10年後の子育て環境に思いをめぐらせながら、事業の将来を考える余裕が生まれてきた」と。

これが、ワークライフバランスの真骨頂ですね。

時間と精神に余裕がないと、創造的な仕事はできやしない、とドラッカーも言ってなかったっけ?

駒場さんの「働き方革命」はこんなふう。

  ●経営者も定時勤務
     仕事の優先順位を明確に。トップが定時退社すると、部下の残業時間も激減

  ●会議の効率化
     会議は90分以内ときめ、議題を前日までに連絡。
     司会者と議事録作成者を決め、内容を共有

  ●ペアワーク
     仕事の抱え込みを禁止し、主担当、副担当2名で進める。
     質が向上するし、一人が休んでも滞らない

  ●在宅勤務を推奨
     一人で集中したいときには、カフェにこもってもOK

こうありたいものです。
これが理想なんだけど、現実にこうできない自分の非力さに歯噛みしてしまいます。

でも、知的生産の仕事に就くんなら、知識と試行錯誤を貯め込む「蓄積期」は必ず必要だからね。
若い人は勘違いしないように。

駒場さんは、かつてはITベンチャーの経営者として猛烈な働きマンだったようです。
その経験を活かして、また新たな視点を得られたようで、うらやましいです。


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